けいそうブックス 天皇と軍隊の近代史
内容説明
戦争の本質を掴まえるには何が必要なのか?天皇制下の軍隊の在り方の特徴とその変容を捉え、軍が政策決定の本質的変容にどのような影響をもたらしたのかを明快な論理と筆致で描き出す。
目次
総論 天皇と軍隊から考える近代史
第1章 戦争の記憶と国家の位置づけ
第2章 軍国主義の勃興―明治維新から第一次世界大戦終結まで
第3章 第一次世界大戦中の「戦後」構想―講和準備委員会と幣原喜重郎
第4章 一九三〇年代の戦争は何をめぐる闘争だったのか
第5章 総力戦下の政‐軍関係
第6章 大政翼賛会の成立から対英米開戦まで
第7章 日本軍の武装解除についての一考察
第8章 「戦場」と「焼け跡」のあいだ
著者等紹介
加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年埼玉県に生まれる。1989年東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(国史学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
天皇の譲位による改元という経験をへた今、近代における天皇の位置と役割をどう考えるのか。軍隊との関係を通して歴史を見つめる。
『戦争の論理』(2005年)以降に発表された論文のなかから読みやすさと読み応えを兼ね備えた論考を選び、昭和期における天皇と軍隊の相克を論じた書き下ろしの総論とともに収録。明快な論理と筆致で事実を照らし、歴史を捉える新たな視角を提示する論文集。近代日本の政軍関係の特質を析出し、国家の意思決定の背景を説き明かす。