目次
第1章 表面現象とスケール
第2章 表面張力とラプラス圧力
第3章 濡れと拡張係数・浸透係数
第4章 重力を考慮した表面現象の力学
第5章 その他の重要な現象(1)
表面張力差に関するもの
第6章 その他の重要な現象(2):液膜・濡れに関するもの
第7章 表面張力の測定法
著者等紹介
小野直樹[オノナオキ]
1987年、東京大学大学院修士課程(機械工学専攻)修了。1998年、同大学より博士(工学)取得。1987年から2003年まで三菱マテリアル(株)、および2003年から2005年まで(株)SUMCOにて研究開発に従事。1993年から1994年までマサチューセッツ工科大学客員研究員。現在は、芝浦工業大学工学部機械機能工学科教授。専門は、機械工学、熱流体工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
熱流体工学と呼ばれる分野は近年大きな発展を遂げ、その研究対象は微小なスケールの世界にまで拡がりを見せている。気液界面あるいは固液界面での微小なスケールの流体現象においては、表面張力や界面の濡れ性等の理解が不可欠である。
表面張力現象は界面化学の分野においても多く扱われており、化学的な見地から詳しく説明された成書も多い。しかし機械工学系の学生にとっては、それらを読むには化学の基礎知識から学び直す必要がありハードルは高い。一方、機械工学系あるいは熱流体工学系の専門書による表面張力現象の解説は、他の内容に付随した形で散発的、トピック的に参照されるものが多い。表面張力現象の力学的な側面を初学者に基礎から系統的に説明したものは少ないように思われる。
そこで本書では、読者の対象を機械工学系の学部4年生から大学院生に想定し、表面張力現象の力学的な部分を取り上げ、その基礎的なテーマに絞ってなるべく平易に解説することを試みた。また式の誘導についても丁寧な説明を加えた。
また、最近の大学のグローバル化の流れに伴い、海外からの留学生も講義を聴講している。そこで本書では英語と日本語両方の表記を行い、日本人および海外からの学生が講義後に自力で復習できるようにした。
本書が、表面張力現象の力学的側面についての学生達の理解を助ける一助となり、かつ彼らが将来関わるであろう様々な研究・開発・生産業務において本書の知見を活かして頂ければと願っている。