目次
第1章 プラズマ物理の概観(プラズマとは何か;様々なプラズマ ほか)
第2章 磁気流体力学(MHD)シミュレーション(MHD解法の基礎;磁気圏シミュレーション ほか)
第3章 粒子(PIC)シミュレーション(PICシミュレーションの基礎;Kelvin‐Helmholtz不安定性 ほか)
第4章 プラズマ計算科学の新しい展開(マルチスケール・シミュレーション;Vlasovシミュレーション)
著者等紹介
金田行雄[カネダユキオ]
1976年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、名古屋大学名誉教授・理学博士。専門:流体力学
笹井理生[ササイマサキ]
1985年京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、名古学大学名誉教授・理学博士。同大学大学院情報学研究科客員教授。京都大学福井謙一記念研究センター研究員。専門:理論生物物理学
梅田隆行[ウメダタカユキ]
2004年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了。現在、北海道大学情報基盤センター教授・博士(情報学)。専門:プラズマ科学、宇宙科学、計算科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「プラズマ」は、固体・液体・気体に次ぐ物質の第四の状態であり、宇宙空間では体積の99%以上を占める基本構成要素であると同時に、さまざまな産業でも利用がなされている。
本書では、プラズマの流体的運動による巨視的な運動(マクロ)と、プラズマの荷電粒子の運動による微視的な運動(ミクロ)が織り成す非線形現象を理解するために、基礎概念から最新の手法にいたるまで系統的に解説し、宇宙・核融合などといった分野でのマクロとミクロの基本的な枠組みと、それらの統合化のためにプラズマ計算科学が目指すべき方向性を示す。
第1 章では、プラズマのマクロ・ミクロシミュレーションを理解する上で弼けとなる、磁気圏・太陽・宇宙・核融合などといった、さまざまなプラズマ現象に関する基礎知識、および基礎方程式となるNewton-Maxwell方程式とMHD(電磁流体力学)の枠組みを示す。第2 章では、マクロモデルを取り扱うMHDモデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組について示す。第3 章では、ミクロモデルを取り扱うParticle-In-Cell(PIC)粒子モデルの基礎およびさまざまなプラズマ現象への適用の枠組みについて、第4 章では、新しい展開であるマルチスケール・マルチ物理を扱う統合モデル化および分布関数を取り扱うVlasov(ブラソフ)モデルについて説明する。
前提知識は学部レベルの微分積分・線形代数・ベクトル解析を想定しており、プラズマ計算科学を志す大学院生・研究者のみならず、これまでにプラズマ科学に触れたことの無い読者でも、マクロ・ミクロが生成するプラズマ現象を広く学習が出来るように配慮した。