内容説明
『すごさ』の理由を深く、楽しく、面白く、解説。日本クラシック界の重鎮・池辺晋一郎の代表著作『音符たち』シリーズ。既刊に続き、根強い人気を誇るドヴォルザーク、チャイコフスキーが新装版で再登場!
目次
音階で、こんなに豊かに!―弦楽セレナードその1
音階で、こんなに豊かに!―弦楽セレナードその2
この曲集は、寒い!―「四季」〜12の性格的描写
骨組み似ていて、肉付けちがう―弦楽四重奏曲第1番
若い緊張感に満ちて…―交響曲第1番「冬の日の幻想」
文学の蓑を着て、やりたいことを―幻想序曲「ロメオとジュリエット」
シンプルな民謡を大建築に―交響曲第2番「ウクライナ」
言葉、文学性の感受性が…―歌曲「憧れを知る者のみが」ほか
新しい道を開拓!―バレエ「白鳥の湖」
哲学的?高邁?それとも気負い?―幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
サブタイトルを消して聴こう―交響曲第3番「ポーランド」
編曲を、楽しんだな!―組曲第4番「モーツァルティアーナ」
穏やかに、しかしラストは…―ヴァイオリン協奏曲
下降を書こう!充実の名作―交響曲第4番
センチメンタリズムの真骨頂!―ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出に」
注文に応じつつ、たくさんの工夫―バレエ「くるみ割り人形」
引用を消化する―イタリア奇想曲/序曲1812年
抑圧と、そこからの解放!―交響曲第5番
テーマの吟味と、他者改訂への考察―ロココふうの主題による変奏曲
「歳月」を描く―オペラ「エフゲニー・オネーギン」
名作には確固たる理由が―ピアノ協奏曲第1番
主人公に似て、思い悩み……―マンフレッド交響曲
組曲ならではの面白さ―バレエ組曲「眠りの森の美女」
死を前にした大傑作―交響曲第6番“悲愴”
著者等紹介
池辺晋一郎[イケベシンイチロウ]
1943年水戸市生まれ。作曲を池内友次郎、島岡譲、矢代秋雄、三善晃の各氏に師事。67年東京芸術大学卒業。71年同大学院修了。在学中、安宅賞、66年日本音楽コンクール第1位、同年音楽之友社室内楽曲作曲懸賞第1位、67年中西音楽賞第3位、68年音楽之友社作曲賞などを受ける。以後、ザルツブルクTVオペラ祭優秀賞、イタリア放送協会賞3度、国際エミー賞、芸術祭優秀賞4度、尾高賞3度、毎日映画コンクール音楽賞3度、日本アカデミー賞優秀音楽賞9度(うち3度最優秀賞)、放送文化賞、渡邉暁雄音楽基金特別賞、文化庁創立50周年記念表彰、JXTG音楽賞、紫綬褒章。2018年文化功労者、2022年旭日中綬章。東京音楽大学名誉教授、東京オペラシティ・ミュージックディレクター、石川県立音楽堂洋楽監督、姫路市文化国際交流財団芸術監督、世田谷区音楽事業部音楽監督ほか多くの文化団体の企画運営、コンクール選考などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「チャイコフスキーって、やはりただものではない」――
大作曲家たちの“すごさ”“素晴らしさ”が楽しくわかる! すべてのクラシック音楽ファン座右の書、日本クラシック音楽界の重鎮・池辺晋一郎の代表著作『音符たち』シリーズ。新装版化されたバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスに続き、根強い人気を誇るチャイコフスキーが刊行!!
「こむずかしそうな学者的解説やアナリーゼは避け、名曲の楽譜に並んだ“音符たち”の、いわば『行間』から裏側をのぞき、そこからオッと思える芽を見つけ、摘み取り、いじくりまわしてみる――それらを『同業者』として作曲家の立場で行う」という同シリーズのコンセプトのもと、叙情性と芸術性をかねそなえたロシアの巨匠、チャイコフスキーが創り上げた名曲の名曲たるゆえんを、交響曲、ピアノ協奏曲、弦楽セレナードやオペラだけでなく、知られざる名曲まで軽妙洒脱な筆致で説き明かす。