シリーズケアをひらく こんなとき私はどうしてきたか
内容説明
はじめて出会ったとき、暴力をふるわれそうになったとき、退院が近づいてきたとき、著者は患者さんにこんな言葉をかけてきた―本書は、二〇〇五年六月〜〇六年十月まで、兵庫県の有馬病院でおこなわれた「医師・看護師合同研修会」での講義内容をまとめたものである。
目次
1 こんなとき私はどう言うか(患者さんと出会ったとき;幻聴を四期に分けて考える;幻聴や妄想を実りあるものにするために;「匙を投げない」ことをどう伝えるか)
2 治療的「暴力」抑制論(患者さんを安全に抑える方法;“手負い”にしてはならない;患者さんにはどう見え、どう聞こえているか;ふっと力が抜けるとき)
3 病棟運営についていくつかのヒント(どんな環境が人を苛立たせるのか;人的環境としての「部屋割り」;病棟スタッフの和をどう支えるか;改革時の病棟マネジメント―私の経験から)
4 「病気の山」を下りる(保護室の内と外;山を下りるということ;回復初期はからだに注目;下山のエネルギーを補給する)
5 回復とは、治療とは…(回復期は疲れる;疲れている患者さんに何を言うか;家族の方に知ってほしいこと;「依存」という切り口から;「回復に耐える」ということ)
著者等紹介
中井久夫[ナカイヒサオ]
1934年奈良県生まれ。精神科医。京都大学法学部入学後、医学部へ転部。京都大学ウイルス研究所、東京大学医学部附属病院分院、青木病院などに勤務。名古屋市立大学、神戸大学などを経て、神戸大学名誉教授。1989年に読売文学賞、1996年に毎日出版文化賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)