イスラームからつなぐ〈3〉翻訳される信頼
目次
総論 さまざまな人々をつなぐ翻訳の役割
第1部 イスラームの知の移動と多言語への翻訳(完全人間としてのムスリム君主;『天方詩経』、アラビア語韻文の敢然たる翻訳―19世紀中国ムスリムによる非ムスリムとの信頼関係の構築)
第2部 国際商業における翻訳(ムガル朝におけるオランダ東インド会社と通訳;交易品としてのインドの織物とその「翻訳」)
第3部 帝国の翻訳者(15世紀末‐19世紀ロシアの東方言語の通訳官;東南アジアのマレー・ムスリム社会における近代性の翻訳)
第4部 多元的法体制における翻訳(多言語社会の中のオスマン憲法;ロシア帝国統治下のムスリム遊牧民の慣習法;インドネシアにおける法の多元性と「翻訳」)
出版社内容情報
さまざまな人びとの関係構築に欠かせず、さらにその背後にある「信頼」関係を裏打ちする翻訳という営為を手がかりに、ムスリムを中心とするコネクティビティの拡大過程を考察する。思想の翻訳、国際商業における通訳の役割、司法における多元主義を切り口として、言語の転換が果たす役割を明らかにする。