内容説明
世界の分断と対立を乗り越えるために―コネクティビティと信頼を鍵として、イスラーム文明の知を可視化する。
目次
序章 イスラームから考える「つながりづくり」と「信頼」―今後の世界を見通す鍵として
第1章 瀬戸内から世界に広がるつながり―ある日本人ムスリムの足跡をたどる
第2章 多様なひとびとをつなぐ翻訳―イスラームの各地への展開と知の伝達
第3章 異なることばをつなぐ言語―インド洋世界におけるウルドゥー語の役割
第4章 未来をひらくイスラーム経済のつなぐ力―その思想と歴史から学ぶ
第5章 イスラームで国をつくる―宗教・国家・共同体
第6章 不信から生まれる信頼?―モロッコ、ベルベル人の「寛容」を中心に
第7章 信頼のためのイスラーム思想と戦略―現代南アジアにおける政治運動の正当化
第8章 神の教えの実践とヴェール―信頼から信仰を読み解く
第9章 「テロリスト」に対する軍事的解決と信頼のゆくえ―フィリピンからの問い
第10章 見えないつながりを描き出す―デジタル人文学の可能性
著者等紹介
黒木英充[クロキヒデミツ]
1961年生。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授(併任)。東京大学大学院総合文化研究科修士課程。学術修士。東アラブ近代史
後藤絵美[ゴトウエミ]
1975年生。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究博士課程。博士(学術)。近現代イスラーム文化・思想研究、ジェンダー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「イスラーム的コネクティビティに基づいた信頼構築」とはいかなるものなのか。国家体系や経済、境域における翻訳と規範の変容、思想と戦略知の展開、移民が形成するコミュニティ、紛争地域での平和構築、人文情報学の可能性といった切り口から全8巻のシリーズのねらいを総合的に論じる。