内容説明
手洗い、確認…一度始めると止まらない!なにが起きているのか、なぜそうなるのか?病気のしくみから治療法、支え方まで徹底解説!
目次
第1章 それは強迫症の症状かも!?(“強迫症状の共通点”頭にとどまり続ける考え、反復する行為;“汚れることへの嫌悪”体、心、特定の場など「聖域」が汚される! ほか)
第2章 なぜ、こんなことに?(“よくある経過”いつの間にかエスカレートして問題に;“なにが起きているのか”「脳の自己防御システム」が過剰に反応する ほか)
第3章 「治す覚悟」を決めよう(“目指すこと”症状にふりまわされずに生きていく!;“診断を受ける”「どこにかかるか」で経過は左右される ほか)
第4章 行動を変える!ERP実践法(“ERPの進め方”行動療法(ERP)を実践すれば変わる!
“ベースラインの測定”実践前に自分の課題を明らかにしておく ほか)
第5章 身近な人ができること(“周囲の心得”まわりが対応を変えると、本人の症状も変わる;“巻き込まれない”「そうかもね」「ふーん」と受け流す ほか)
著者等紹介
原井宏明[ハライヒロアキ]
岐阜大学医学部医学科卒業。国立肥前療養所(現:肥前精神医療センター)、国立菊池病院(現:国立病院機構菊池病院)、なごやメンタルクリニック院長を経て、2019年原井クリニックを開業。日本認知・行動療法学会専門行動療法士、精神保健指定医、精神科専門医・指導医
松浦文香[マツウラアヤカ]
子どもの頃から強迫症を患い、不登校も経験しながら大学を卒業。その後、3日間集団集中治療を受け回復を遂げる。2019年より原井クリニックにて医療事務・院長秘書。自助グループ「京橋強迫の会」世話人。日本認知・行動療法学会、日本動機づけ面接協会、MINT(動機づけ面接トレーナーネットワーク)所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
【ひと目でわかるイラスト版】
【手洗い、確認…、一度始めると止まらない!】
100人のうち1〜2人は、生涯のどこかで強迫症とされるような症状に悩まされるといわれます。いやな考えが浮かんで消えない、何度も同じことをせずにはいられないといった自分でコントロールできない症状に苦しみ、日々の生活にも影響しているようなら、そこから抜け出す手立てが必要です。
強迫症にみられるこだわりの強さから、「発達障害(生れながらの特性)」と診断されることもあります。症状に悩んでいても「発達障害だから」「そういう性格だから」などと考え、「治せない」とあきらめている人もいるでしょう。しかし、強迫症は治せる病気です。
ただし、強迫症を治すには、本人や周囲の人の深い理解が必要です。
すべて医師に任せていればいい、いやなことはせず、薬を飲んでゆっくり休もう、家族はできるだけ本人の望むとおりにふるまおう――こうしたほかの病気ならうまくいくようなやり方は、強迫症の場合、悪化につながってしまうのです。
強迫症をいかに改善していくか、家族はどう接していけば悪化を防げるのか、具体的な実践法を示していくのが本書です。強迫症の治療法として最も有効とされるERP(エクスポージャーと儀式妨害)を中心に、回復に向けた道筋を示していきます。
【強迫症の主な症状】
*不潔恐怖・疾病恐怖・不道徳恐怖 「汚れること」への嫌悪
*加害恐怖 他人に危害を与えたのではと悩み続ける
*不完全恐怖 理想と現実のギャップを埋めたい
*洗浄強迫 手洗い、消毒……一度始めると止まらない
*確認強迫 本当に確認したのか確認したくなる
*順序強迫・計画強迫「決まったとおり」でなければ許せない
*強迫性緩慢 行動は止まって見えるが頭の中は忙しい
*縁起強迫 儀式をするほど不吉な予感が増えていく