内容説明
剣道初心者・成美は級審査を受けることになった。審査にむけて、木刀での練習をはじめるが、道場仲間の太一と、学校の発表会でも剣道を見せることに。一方、太一のクラスメイト高木も、いっしょに練習をするようになる。相手をちゃんと見ることが、自分を見つめることにつながるシリーズ第四弾!小学校高学年から。
著者等紹介
あさだりん[アサダリン]
1970年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。日本児童文学者協会会員・信州児童文学会会員
新井陽次郎[アライヨウジロウ]
1989年埼玉県生まれ。イラストレーター、アニメーター、監督。スタジオジブリ、スタジオコロリドを経て、フリーランスで活躍。初監督作「台風のノルダ」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
さわぐ必要なんかないのに、とわたしは思う。
すこしもこわくない。
剣道初心者・成美は、初の級審査を受けることになる。
審査にむけて、木刀での練習をはじめるが、
道場仲間の太一と、学校の発表会でも剣道を披露することに。
一方、太一のクラスメイト高木は、
サッカー部の仲間とうまくいっていないようで、
発表会のために、成美と太一といっしょに、木刀の稽古をするようになる。
相手にむかいあうこと、自分にむかいあうことを描く
剣道小説第4弾!
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「ボクトウ? ケンドウキホンワザ?」
わたしが首をかしげていると、監督は立ちあがって、道場のおくの物置にいった。もどってきた監督の手には、木でできた刀がにぎられていた。
「これが木刀だ。」
わたしは監督から木刀をうけとった。おお、両手にずっしりくる。木を刀の形にけずったもので、手でにぎる部分には「北島」と監督の名前がほってあった。全体があめ色をして、つやつやと光っている。
(本文より)
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