内容説明
論理的思考法はひとつではない。思考する目的を明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る。論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ、価値に紐づけられた四領域の思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分け、不確実なこの世界で主体的に判断することを説く。論理的思考の常識を破る一冊。
目次
序章 西洋の思考のパターン―四つの論理(論理学、レトリック、科学、哲学の論理と思考法の比較表;論理学の論理;説得(レトリック)の論理
科学的発見の論理
哲学的探究の論理)
第1章 論理的思考の文化的側面(何が“論理的”だと感じさせるのか;論理と文化―価値の選択と優先順位;論理と合理性;経済・政治・法技術・社会のそれぞれの論理)
第2章 「作文の型」と「論理の型」を決める暗黙の規範―四つの領域と四つの論理(求められる作文の型を知る;経済の論理―アメリカのエッセイと効率性・確実な目的の達成;政治の論理―フランスのディセルタシオンと矛盾の解決・公共の福祉;法技術の論理―イランのエンシャーと真理の保持;社会の論理―日本の感想文と共感)
第3章 なぜ他者の思考を非論理的だと感じるのか(「自己の主張」の直線的な論証(経済)とは相容れない論理
弁証法の「手続き」(政治)とは相容れない論理
「ひとつに決まる結論」(法技術)とは相容れない論理
他者への共感(社会)とは相容れない論理)
終章 多元的思考―価値を選び取り豊かに生きる思考法
著者等紹介
渡邉雅子[ワタナベマサコ]
コロンビア大学大学院博士課程修了、Ph.D.(博士・社会学)。現在、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。専攻、知識社会学、比較教育、比較文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
論理的思考法は世界共通ではない。思考する目的をまず明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る。論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ、価値に紐付けられた四つの思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分ける、多元的思考を説く。不確実なこの世界で主体的に考えるための一冊。