海を渡る「慰安婦」問題―右派の「歴史戦」を問う
内容説明
「米中韓が連携し、「慰安婦」問題で日本を攻撃している」。そんな危機感を抱く歴史修正主義者たちは「歴史戦」と称して、アメリカなど海外への情報発信を強めている。ネットによる情報拡散のみならず、現地での集会や訴訟も展開。政府も加わった「歴史戦」の実態を詳細に報告し、歴史認識と政治のあり方を問う。
目次
第1章 「歴史戦」の誕生と展開(「歴史戦」前史―転機としての「一九九七年」;情報戦―第一次安倍内閣時代の右派論壇 ほか)
第2章 アメリカ「慰安婦」碑設置への攻撃(日系アメリカ人が「慰安婦」碑に反対しているという誤報;実態のない「日本人いじめ」 ほか)
第3章 謝罪は誰に向かって、何のために行うのか?―「慰安婦」問題と対外発信(マウマウ記念碑;「連累(implication)」という概念 ほか)
第4章 官民一体の「歴史戦」のゆくえ(男女共同参画批判と「慰安婦」否定論;一九九〇年代の歴史修正主義と「慰安婦」否定論 ほか)
著者等紹介
山口智美[ヤマグチトモミ] [Morris‐Suzuki,Tessa]
1967年生まれ。モンタナ州立大学准教授。専門は文化人類学、フェミニズム
能川元一[ノガワモトカズ]
1965年生まれ。大学非常勤講師。専門は哲学
モーリス‐スズキ,テッサ[モーリススズキ,テッサ]
1951年イギリス生まれ。オーストラリア研究協議会特別フェロー・オーストラリア国立大学教授。専門は歴史学、日本近代史
小山エミ[コヤマエミ]
1975年生まれ。「脱植民地化を目指す日米フェミニストネットワーク」(FeND)共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
歴史修正主義者たちは「歴史戦」と称して、海外への情報発信を強めている。その実態を詳細に検証する。