庭に埋めたものは掘り起こさなければならない(シリーズ ケアをひらく) (シリーズケアをひらく)
過去の苦しみからの解放を願うすべての人に贈る、再生と希望の灯。 そして最後に著者が見つけるものとは……。 【この本を読もうとしてくださっているあなたへ】 2022年の春のこと。わたしは主治医の勧めでカウンセリングに通い出した。初回、カウンセラーから「なぜカウンセリングに通おうと思ったのですか」と聞かれた。そのときわたしは「合法的な安楽死がないから、仕方なく」と答えた。ひどい答えだと自分でも思った。でもこれが偽りない実感だった。 わたしは毎日やってくる「死にたい」に対峙する気力ももうほとんどなくて、つらくなく痛くなく早く死んでしまいたかったのだ。そのときわたしがいちばん欲しかったのが、合法的な安楽死だった。今思えば、わたしはぎりぎりでもうどうしたらいいのかわからなかった。 この本は、なぜわたしに「死にたい」が毎日やってくるのか、その理由を探すために、目的地も見えぬなか歩み出した旅の記録だ。わたしには書くという作業が必要だった。必要というより必然だった。書くことを通してでしか、〈自分〉という未踏の地に足を踏み入れる勇気を保つことはできなかった。 そしてわたしはこの本を、半分はわたし自身