生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)
奇跡のように実現した二人の出会い、そして最後の対話――。 河合隼雄と小川洋子の「物語の魂」が静かに響き合う。 人々の悩みに寄り添い、個人の物語に耳を澄まし続けた臨床心理学者と、静謐でひそやかな小説世界を紡ぎ続ける作家。二人が出会った時、『博士の愛した数式』の主人公たちのように、「魂のルート」が開かれた。子供の力、ホラ話の効能、箱庭のこと、偶然について、原罪と原悲、個人の物語の発見……。 それぞれの「物語の魂」が温かく響き合う、奇跡のような河合隼雄の最後の対話。 【目次】 I:魂のあるところ 友情が生まれるとき 数字にみちびかれて 永遠につながる時間 子供の力 ホラ話の効能 II:生きるとは、自分の物語をつくること 自分の物語の発見 「偶然」に気づくこと 黙っていられるかどうか 箱庭を作る 原罪と物語の誕生 多神教の日本に生まれた『源氏物語』 「死」への思い、「個」への執着 「原罪」と「原悲」 西欧一神教の人生観 厳密さと曖昧さの共存 忘れていたことが出て来る 傍にいること 二人のルート――少し長すぎるあとがき:小川洋子 小川洋子 1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大