うらやましいボケかた (新潮新書)
無理をしないでボチボチと 下を向いて歩こう。 90歳を超え、なお軽やかに。「老年の荒野」をゆく。 「人生百年時代」とはいうけれど、心身の衰えや経済的不安など、長生きするほどに心配のタネもまた尽きないものだ。文筆を通して世の移り変わりを見つめて半世紀余、著者も70代から80代を通り過ぎ、90代へと突入した。ボケる思考、ガタつく体を日々実感しながらも、ひとり軽やかに「老年の荒野」をゆく――人の生き方と考え方、日本も世界も目まぐるしく変わる時代に、ユーモアをまじえて綴った卒寿の本音。 目次 うらやましいボケかた 九十歳の壁を回りこむ 間違いだらけの人生だ 寒さ暑さも還暦まで 下を向いて歩こう ゆっくりしたボケかた 加齢は各所バラバラに進む 人間の体は奥深くて面白い こども庁より「ひざ・こし庁」 運転できるけどしない 人はどんな事態にも慣れる 「はい、はい、お先にどうぞ」 無理をしないでボチボチと 言葉の渦に流されながら ながら養生法のすすめ マスクの捨てがたい効用 男性たちに覚悟はあるか 明日どうなるかはわからない きたるべき超インフレ時代 単身社会の幸福とは 一瞬の出会い、忘れえぬ