地平 2024年12月号
緊急特集:イスラエルの戦争を批判するパレスチナ・ガザへの侵攻から1年、イスラエル軍は学校や病院、市民の避難場所への攻撃を繰り返し、ガザ地域の犠牲者はすでに4万2000人を超えている。イスラエルは、レバノンやヨルダン川西岸に対する攻撃を強め、ここでも市民の犠牲が多く出ている。イスラエルの戦争は、もはや世界の平和と安定、法秩序への攻撃である。批判の視角を共有するために、緊急に特集する。特集1:総保守化する政治総選挙で自民党は大敗した。裏金問題で迷走したあげくの自滅的敗北であった。だが、新しい国会の光景からは、市民的な新しい政治を予感させるものは見えてこない。むしろ逆だ。大敗した自民党では右派が台頭し、野党も第1党から第3党までが、日米「同盟」強化、原発維持・推進の立場となった。総保守化する政治に、どう対峙するのか。特集2:再エネか、原発か。日本のエネルギー政策は、どうしてこうも歪んでしまうのか。国際情勢の緊迫により不安定化し高騰するエネルギー供給、エネルギー輸入のために流出する巨額の国富、そしてなにより気候変動の深刻化により、化石燃料を燃やしつづける現在のありかたが持続不可能なことは明らかだ。そして、日本政府は転換を決意した――原発推進へと。いますでに、私たちの目の前に、安全性・経済性・気候変動対策への有効性が確認され、国際社会が導入を急ぐ再生可能エネルギーという選択肢があるにもかかわらず、なぜ?第7次となるエネルギー基本計画が政府内で議論されている今、あるべきエネルギー政策のために特集する。目次●知層 News InDepth言論統制とヘイトクライムに抵抗する中国の若者たち――日本人学校襲撃事件と「間に立つ」視点 阿古智子(東京大学)「国民宰相」の再来?――オーストリア国民議会選挙を振り返る 木戸衛一(大阪大学)日本版DARPA発足――新たな軍事研究所は何を狙うか 井原 聰(東北大学名誉教授)●被団協、ノーベル平和賞受賞被爆者の声を継ぎ、行動を起こすとき 川崎 哲(ピースボート)ノーベル平和賞と核のタブー 高橋博子(奈良大学)●緊急特集:イスラエルの戦争を批判する国際法から見たイスラエルの逸脱 申惠…他