送料無料 2冊 悪童日記 ふたりの証拠 アゴタ・クリストフ ハードカバー版
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2冊セット ハードカバー
例えAIが小説を書くような時代が来ても、こういう文章の底に流れる衝撃的な価値観や哀しみを綴ることは不可能だと思います。
それくらい衝撃的な小説です。
悪童日記
アゴタ クリストフ (著) Agota Kristof (原著) 堀 茂樹 (翻訳)
ふたりの証拠
アゴタ・クリストフ (著) 堀 茂樹 (翻訳)
ハンガリー生まれのアゴタ・クリストフは幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、
1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命している。
生い立ちがヨーロッパ現代史そのものを体現している女性である。彼女の処女小説である本作品も、
ひとまずは東欧の現代史に照らして読めるが、
全体のテイストは歴史小説というよりはむしろエンターテインメント性の強い「寓話」に近い。
そもそもこの小説には人名や地名はおろか、固有名詞はいっさい登場しない。
語り手は双子の兄弟「ぼくら」である。戦禍を逃れ、祖母に預けられた「ぼくら」は、
孤立無援の状況の中で、生き抜くための術を一から習得し、
独学で教育を身につけ、そして目に映った事実のみを「日記」に記していく。
彼等の壮絶なサバイバル日記がこの小説なのである。
肉親の死に直面しても動じることなく、
時には殺人をも犯すこの兄弟はまさに怪物であるが、
少年から「少年らしさ」の一切を削ぎ落とすことで、
作者は極めて純度の高い人間性のエッセンスを抽出することに成功している。
彼らの目を通して、余計な情報を極力排し
、朴訥(ぼくとつ)な言葉で書かれた描写は、戦争のもたらす狂気の本質を強く露呈する。
凝りに凝ったスタイル、それでいて読みやすく、先の見えない展開、
さらに奥底にはヨーロッパの歴史の重みをうかがわせる、と実に多彩な悦びを与えてくれる作品である。
(三木秀則)
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アゴタ クリストフ (著) Agota Kristof (原著) 堀 茂樹 (翻訳)
ふたりの証拠
アゴタ・クリストフ (著) 堀 茂樹 (翻訳)
ハンガリー生まれのアゴタ・クリストフは幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、
1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命している。
生い立ちがヨーロッパ現代史そのものを体現している女性である。彼女の処女小説である本作品も、
ひとまずは東欧の現代史に照らして読めるが、
全体のテイストは歴史小説というよりはむしろエンターテインメント性の強い「寓話」に近い。
そもそもこの小説には人名や地名はおろか、固有名詞はいっさい登場しない。
語り手は双子の兄弟「ぼくら」である。戦禍を逃れ、祖母に預けられた「ぼくら」は、
孤立無援の状況の中で、生き抜くための術を一から習得し、
独学で教育を身につけ、そして目に映った事実のみを「日記」に記していく。
彼等の壮絶なサバイバル日記がこの小説なのである。
肉親の死に直面しても動じることなく、
時には殺人をも犯すこの兄弟はまさに怪物であるが、
少年から「少年らしさ」の一切を削ぎ落とすことで、
作者は極めて純度の高い人間性のエッセンスを抽出することに成功している。
彼らの目を通して、余計な情報を極力排し
、朴訥(ぼくとつ)な言葉で書かれた描写は、戦争のもたらす狂気の本質を強く露呈する。
凝りに凝ったスタイル、それでいて読みやすく、先の見えない展開、
さらに奥底にはヨーロッパの歴史の重みをうかがわせる、と実に多彩な悦びを与えてくれる作品である。
(三木秀則)
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